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J-pop 新時代の幕開け―星野源 / YELLOW DANCER―

2016年に入り1週間を過ぎたころ、ふと2015年の自分の名盤ランキングを作ろうと思った。

いざ選び始めるも実に難しい…2015年はほんとにいい年だった。私が選ぶとやはり結果、バンドミュージック、特にロックバンドになるのは必至。万勉なくって難しいな…と改めて実感しました。

とりあえず5回ぐらいにわけて紹介できればいいなとおもいます。先ずは記憶にも新しい、年末に現れた傑作から行きたいと思います!以下。

星野源/YELLOW DANCER>

ペリーが日本に来航した以来の衝撃を受ける。流石に言い過ぎたかもしれないが、今の日本の音楽シーンにおいてはペリーが来航したのと等しい刺激であり、また転機となることは間違いない。

2015年、星野源は歌手として俳優としても幅広く活動してきた。ドラマの主題歌に起用されたり連ドラに出演したりなど、彼の名はいつの間にかお茶の間に浸透していた。

彼の楽曲で欠かせないポイントの一つに歌詞がある。日常から切り抜いた些細な喜びや抱く不安を歌う歌詞は誰もが持つものであり、それは等身大の彼自身でもある。繊細な人の心に寄り添う歌詞は、人々の心を掴んで離さない。またそんな彼にだからこそ書けるポップな歌詞に人々を勇気づけられる。

もちろん歌詞も注目してもらいたいポイントではあるが、それ以上に今回のアルバム"YELLOW DANCER"をこんなにも推すのは他でもなく曲だ。

このアルバムにおいて特筆するべきポイントは、星野源がブラックミュージックを自分の音楽として昇華し、ポップスに還元したことである。

ブラックミュージック"っぽい"曲、その要素を取り入れた楽曲はポップスやロック、歌謡曲に至るまで幅広いが、そこから脱却して自分のものにするのは難しい。
何故ならブラックミュージックは20世紀の大衆音楽の源であり、ポップスやロック、歌謡曲にまで影響を与えている。だから要素を取り入れた"っぽい曲"というのはどのジャンルにも多くあるが、自分の色をつけて楽曲に組み込むまでには至らない。

しかし、星野源はそれを成し遂げた。ブラックミュージックの感覚と日本のポップスを融合してイエローミュージックを作り上げた。軽やかに街角で踊りだしたくなる曲から、心の奥底まで沁み込んでいく曲。深々とした静寂に包まれるなかで紡がれてい曲であったり、ほんとに表情が豊かなアルバムになっている。一度アルバムを通しで聴いて欲しい。きっと自分のものになる一曲があるにちがいないから。
https://youtu.be/LGG8grKZhxY
https://youtu.be/K65IhSyGpH0